◆ 初恋通りと藤村広場/日本近代詩発祥の地・仙台 島崎藤村の下宿三浦屋跡
初恋  
 
まだあげ初めし前髪の
林檎(りんご)のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛の
花ある君と思ひけり
 
やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅の秋の実に
人こひ初めしはじめなり
 
わがこゝろなきためいきの
その髪の毛にかゝるとき
たのしき恋の盃を
君が情に酌みしかな
 
林檎畠の樹の下に
おのづからなる細道は
誰が踏みそめしかたみぞと
問ひたまうこそこひしけれ

「MIDIは、『おやじの歌』さんの『初恋』をお聴き下さい」
 JR仙台駅東口広場・交番の脇の通りは、『初恋通り』と名付けられその先に藤村広場が有ります。
島崎藤村は、教え子への”初恋”に破れ親友の自殺と言う東京の悩み多い生活から逃げるように東北学院の教師と
して仙台にやって来ました。
東北学院の教師として在任中に下宿した3ヶ所のうちその一つが三浦屋でした。
 その下宿屋跡地一帯が『初恋通り』と『藤村広場』として整備されています。 ↑自販機にも初恋通りの表示が有ります
この地で、日本初の近代詩のさきがけと言われる『若菜集』の大部分が書かれたことから『日本近代詩発祥の地』と
されています。
 三吉神社(※塩釜神社)のおみくじには『初恋成就』のご利益も…
※伊達・仙台藩が塩釜市の塩釜神社再建時に御神体を一時保管したことから塩釜神社と呼ばれています。
  
 生家の有る馬籠宿・島崎藤村記念館との交流も有り、宮城県白石市の和紙にミヤギノハギを配した色紙を記念館
に寄贈しています。(写真の右上。 拡大写真は こちら )
 初恋通りの神社前を左折すると『藤村広場』に出ます。
広場には『若菜集』の表紙に使われた『蝶』をブロックで現しています。
草枕
 
夕波くらく啼く千鳥
われは千鳥にあらねども
心の羽をうちふりて
さみしきかたに飛べるかな
  (中略)
道なき今の身なればか
われは道なき野を慕ひ
思ひ乱れてみちのくの
宮城野にまで迷ひきぬ
 
心の宿の宮城野
乱れて熱き吾身には
日影も薄く草枯れて
荒れたる野こそうれしけれ
  (以下、省略)
 仙台での想い出を「草枕」で書いています ☆著作権が切れていますので作品を一部載せています。
  

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